2009年01月18日

第3回「ミラヴィル・インパクト」/銀座

まさに「Tsushimiワールド」のレストラン

目黒区駒場の人気フレンチ「ミラヴィル」の都志見セイジシェフといえば、自由な発想でいつも驚きと感動を与えてくれるフランス料理人として、多くのファンが認めている。その都志見シェフが、一昨年夏、銀座のマロニエゲートにオープンさせた2店鋪目「ミラヴィル・インパクト」が、オープン当初から各方面で話題となったのは記憶に新しい。何せメニューが「デザートのコース」なのである。これはパティシエではおそらく発想しない、あくまで料理のシェフが考えた新しいスタイルである。都志見シェフはこれをデザートのコースといわず、敢えて「甘い料理のコース」と表現してくれた。このミラヴィル・インパクトは、その店鋪のコンセプトから店内のデザインに至る迄、全て都志見さんがプロデュースしたという、彼の思いの詰まった店である。3回目の「レストラン空間考」ではその魅力あふれる店鋪について考察してみようと思う。

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まず、都志見シェフによると、この「スィーツのコースメニュー」というのは、料理のコースの中で、最後を飾る、最も印象に残る「デザート」を使ってコースメニューを作れば、それはきっととても楽しい店になるに違いない、という発想から生まれたものらしい。この発想から考案されたデザートコースは昼間はもちろんの事、夜はどこかで食事をして来た二人が、最後のデザートはインパクトで、という具合にその日の最後の締めくくりとして利用してもらう事を狙っていた。もちろんワインや食後酒の用意もあって、とある雑誌では「お酒とデザート」という切り口で紹介されたこともある。 このような前例のない業態であるから、もちろん店内のデザインやレイアウトも一つ一つが新しい発想から生まれている。

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 都志見シェフはこの新しい店のためのコンセプトとして、やはり「オリジナリティ」を挙げてくれた。他には前例のないメニュー構成をキチンと空間でも表現したい、ということでメニューや皿の上のデザインと、空間のデザインが一体化したような店作りをめざした。結局内装デザインも全て都志見さん自身でやったということである。そうすることで、まさに「都志見ワールド」を具現化できうると考えたのである。
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エスカレーターを上ると正面がインパクト。入口には大きなロゴの入った店舗看板があり、店内に入るとすぐ、いろんなポーズの都志見シェフの写真が並べてあって、シェフご本人がお客様をお迎え?いや、これは結構インパクトがある。そのシェフの写真の隣にはワインセラー。デザートとお酒という組み合わせを予感させる。

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右側のコーナーシート部分の壁と椅子には元気一杯のウォールペインティングが施されている。これも都志見さん本人が一日で書き上げた作品だ。タイトルは「四角い太陽」。太陽のエネルギーを表現している。まさに強くて印象的なデザインである。店内はこの「四角い太陽」の絵をはじめ、様々なところにヴィヴィッドな色彩が使われており、巷のカフェやレストランのシックなテイストとはおよそかけ離れたイメージの空間となっている。

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壁が白、天井が真っ黒更にガラスや鏡も多用している。そこに深紅のベンチシートやカウンター上部のLEDランプはブルー、テーブルにセットしてあるショープレートは赤、黒、黄色といった具合だ。そんなカラフルな空間に包まれて、都志見シェフの提案するスィーツのコースメニューを楽しむことになる。まさに首尾一貫したシェフの世界観が演出されていると言っていい。

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カウンター席が中心となっているが、これはやはり目の前で美しいデザイートを盛りつけるところも見せたいという思いから。しかしイメージとしてはシャレたバーのような雰囲気で、お酒やシャンパンをグラスで頼みたくなるという効果も十分にありそうだ。カウンターの高さは97センチと比較的低い。一般的なテーブルは75センチ程度、バーカウンターは100センチ〜110センチが標準的であるから97センチというのはその中間ぐらいの感じであろうか。このカウンターに対して椅子の高さが68センチとなって、やや低めの設定。従って座った時の印象はハイカウンターでありながらかなりしっかりと座った印象になる。つまり天板の高さがやや高い位置に感じることになる。自然と体は肘をついてグラスを傾けるバーというより、ナイフとフォークを使って食事をするという姿勢になる。よく考えられた設定だ。
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 このミラヴィル・インパクトがスタートしてから、都志見さんの料理にはどんな影響が出ているのか聞いてみた。「それぞれにコンセプトが違うので面白いです。インパクトは自由な発想でいろんな事に挑戦できるから、そこで試してみたものを、ミラヴィルのメニューにフィードバックしたりできて、結構楽しんでます。また同じメニューであってもお客様のカラーが違うせいか、異なる感想や反応があるので、そのあたりは今後の展開のための参考になりますね」
シェフ、都志見セイジの挑戦はまだまだ続きそうで、目が離せない。

ミラヴィル・インパクト
http://www.miravile.net/

東京都中央区銀座2-2-14
マロニエゲート10F
03-5524-0417
11:00〜23:00(LO22:00)
年中無休

タグ:フレンチ
posted by ニコラス at 14:24| Comment(0) | TrackBack(0) | レストランインテリア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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